ソロ開発でMRR$10Kを達成した話
「Notionクローンを作れば売れる」——そう思って始めたプロジェクトは、見事に失敗しました。
でも、その失敗があったからこそ、今のプロダクトがあります。ソロ開発者として MRR(月間経常収益)$10,000 を達成するまでの道のりを、失敗も含めて共有します。
最初の失敗:汎用ツールの罠
作ったもの
Notionライクなドキュメント管理ツール。機能は充実していました:
- リッチテキストエディタ
- データベース機能
- テンプレート
- チーム共有
結果
6ヶ月開発して、有料ユーザー3人。
なぜ失敗したか
| 問題 | 詳細 |
|---|---|
| 競合が強すぎる | Notion、Coda、AirTableと比較される |
| 差別化できない | 「ちょっと違うNotion」は価値にならない |
| ターゲットが広すぎる | 「誰でも使える」は「誰も選ばない」 |
転換点:ニッチを見つける
失敗の中で気づいたのは、特定の業界の人が同じ問題で困っているということでした。
ユーザーインタビューで聞いた声:
「YouTuberとして、撮影スケジュール・スポンサー管理・収益追跡を全部別ツールでやってて面倒」
これだ、と思いました。
ピボット:YouTuber向け管理ツール
絞り込んだこと
- ターゲット: 収益化済みYouTuber(登録者1万〜50万)
- 課題: コンテンツ制作のビジネス管理
- 範囲: 企画・撮影・スポンサー・収益を一元管理
捨てたもの
- 汎用的なドキュメント機能
- チーム向け機能(ソロYouTuber特化)
- 無料プラン(最初からPaid-only)
機能設計:「あったらいいな」ではなく「ないと困る」
コア機能(これだけでローンチ)
- コンテンツカレンダー - 企画→撮影→編集→公開のパイプライン
- スポンサー管理 - 案件進捗・契約・入金追跡
- 収益ダッシュボード - YouTube Analytics + スポンサー収益の統合
後から追加した機能
- サムネイルA/Bテスト記録
- スポンサー連絡テンプレート
- 確定申告用レポート出力
価格設定:最初から有料
理由
- 無料ユーザーのフィードバックは参考にならないことが多い
- サポートコストを最小化したい
- 「お金を払う価値があるか」を早く検証したい
価格
| プラン | 価格 | 対象 |
|---|---|---|
| Starter | $19/月 | 登録者1万〜5万 |
| Pro | $49/月 | 登録者5万〜50万 |
| Studio | $99/月 | 50万以上・複数チャンネル |
最初はStarterとProだけ。Studioは要望があってから追加しました。
マーケティング:お金をかけずに
効果があった施策
-
YouTube SEO解説記事(自分でYouTubeやってないけど)
- 「YouTuber 収益管理」などのキーワードでブログ記事
- 記事末尾でツールを紹介
-
既存YouTuberへのDM
- 「使ってみてください」ではなく「インタビューさせてください」
- 課題をヒアリング → その場でデモ → トライアル
-
アフィリエイトプログラム
- 利用者が紹介すると30%キックバック
- YouTuber同士のネットワークで広がる
効果がなかった施策
- Twitter/X広告(CACが高すぎる)
- ProductHunt(ニッチすぎてウケない)
- 汎用的なSEO記事
MRR推移
| 月 | MRR | 備考 |
|---|---|---|
| 1ヶ月目 | $190 | 10人 × $19 |
| 3ヶ月目 | $950 | Pro移行が増える |
| 6ヶ月目 | $3,200 | 口コミで加速 |
| 12ヶ月目 | $7,800 | 確定申告機能が好評 |
| 18ヶ月目 | $10,500 | 目標達成! |
技術スタック
| 層 | 技術 |
|---|---|
| Frontend | Next.js + Tailwind CSS |
| Backend | Supabase (Auth, DB, Storage) |
| Payments | Stripe |
| Analytics | Posthog |
| Hosting | Vercel |
ソロ開発のポイント: 運用負荷を最小化するためフルマネージドサービスを選択。
学んだこと
1. ニッチは怖くない
「市場が小さすぎる」という恐怖は杞憂でした。1万人のYouTuberの1%(100人)が$49払えば、MRR $4,900。
2. 最初の10人が全て
最初の10人の有料ユーザーが、プロダクトの方向性を決めます。この10人を大切にする。
3. 機能追加より改善
新機能を作りたい誘惑に負けず、既存機能の使いやすさを磨く。
4. サポートは差別化
ソロだからこそ「中の人」が見える対応ができる。これは大企業にはできない。
今後
- MRR $25Kを目指す
- 機能拡張より、価格帯の上位移行を狙う
- 将来的には「クリエイター向け」に横展開
まとめ
ソロ開発で収益化するために大切なのは:
- ニッチに絞る - 「誰でも」より「この人だけ」
- 課題から始める - 機能ではなく、解決する問題
- 早く有料化 - 無料で広げるより、価値を確認
- 運用を最小化 - 技術スタックは「楽」を優先
汎用ツールで失敗した経験があったからこそ、ニッチの重要性がわかりました。皆さんも、最初の失敗を恐れずに。
この記事はソロ開発者の実体験に基づく事例紹介です。